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理想のホリデーとエモーショナルな人々


皆さんあけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いします。

さて、皆さんは年末年始はどのように過ごされたでしょうか?実は冬の時期はカウンセラーにとって大変しんどい月のひとつです。おそらく年間の中で一番しんどいシーズンのひとつではないでしょうか。なぜならここアメリカではクリスマスを迎える12月というのは大変エモーショナルになるからです。

11月のサンクスギビングデイを終えてからクリスマス当日までアメリカではどんどんクリスマスの雰囲気になっていきます。街やお店の飾りつけ、プレゼント選び、あちこちで流れるクリスマスの音楽。どこもかしこもクリスマス一色です。

そうやって1か月間近くクリスマスの雰囲気を作っていきながら、醸成されていくのは”クリスマスへの特別な想い”です。この時期のアメリカ人は外国人である私からみても、否が応でも感傷的になります。

アメリカ人には理想の家族像があります。暖かい暖炉のあるお家で家族が集まり楽しそうに談笑する。外では雪がしんしんと降る中、家の中は家族のぬくもりで暖かい。こんなイメージでしょうか。実際、個人主義で核家族、今や離婚率60%近いアメリカでは現実と彼らの理想の家族とは相当な違いがあります。 普段こういった理想な家族を持てている人は実はそんなに多くないかもしれません。でも本当は心の奥底でこの家族同士や大事な人達とのつながり、温もりを強烈に欲しているのです。クリスマスの準備にいそしみ完璧なクリスマスを演出しようとするアメリカ人は、そのことにより自分の心の奥底にある欲求を満たそうとしているのです。”私にも家族がある、自分の居場所がある”と。 ですからクリスマスによってこれが満たされる人はまだ良いのですが、満たされない人は気分が落ち込んで当然なのです。しかも周りがクリスマス一色のせいで、1か月近くも寂しさや孤独といった辛さを味わうことになるわけですから平常心を保つのが難しくて当然です。クリスマスが終わるとこの苦しみから解放されて気が抜ける人もたくさんいます。 日本ではこの感覚はお正月のほうが近いと思います。ただアメリカのほうがクリスマスまでの気持ちの醸成時間が長いのでさらにエモーショナルになってしまうかもしれません。いずれにせよホリデーというのはお休みが長く身体にとっては良いこともありますが、意外と心は落ち着かなくアップダウンを繰り返すのでホリデーを迎えるとなんだか普段より疲れを感じ、これが終わると一気にホッとするなんてことも多いかと思います。

この感情の乱れはどうしても止められないので、毎年年末になると感情的になってしまいます。なかなか対策はありませんがもし可能であれば年末のホリデー以外も、心の中にこの暖かい家族や大事な人との温もりの時間を登場させるのが良いかもしれません。

1年に一度だけ強烈な理想の家族が心を占めれば許容できなくて当然です。ですから年に一度だけでなく家族や大事な人を一年中、心に住まわせてみて下さい。お正月を一緒に迎え、春にお花見をし、夏は海に行き、秋は紅葉を楽しみ、そしてクリスマスです。そうやって一年中、心の中に大事な人を住まわせておくと孤独を感じにくくなります。それでも12月は感傷的になるかもしれませんが以前よりは気持ちの乱れは少ないのではないかと思います。

孤独という字の”孤”の漢字には”おどおどした子供”という意味があります。子供は一人では生きていけません。家族が必要です。ですからどうぞ皆さん自身の子供の部分(Child Self)を常に心の中で家族と住まわせてあげて下さいね。


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