差別と不平等

April 2, 2019

 

私が今住んでいるアメリカは自由の国と呼ばれていますが、実際に暮らしてみると差別と不平等なことが日常茶飯事で行われているように感じられます。

 

 

人種、文化、性別、年齢そして所得階級により差別があらゆるレベルで行われています。おそらくこのアメリカで差別や不平等さを全く感じたことがないという人はかなり少ないのではないのではないかと思います。

 

 

例えば上流階級の白人と低所得のマイノリティ―では後者のほうが差別や不平等さを体験する機会は多いかもしれませんが、かといって前者が死ぬまで差別や不平等さを感じずにいられる確率も低いのではないかと思います。アメリカが自由や平等を主張する陰にはこういった不自由や不平等に対する深い怒りと葛藤から来ているのではないかと思います。

 

 

そしてその間違いに声をあげることの怖さ。例えばとるにたりないことに関しては”こういうことについて私はこう思うんだけれどもどう思う?”と聞くと10ぐらい答えが返ってくるのに、この差別や平等さに対する質問には全く返答が返ってこなかったりします(都合が悪いとだんまりになってしまいます)。

 

 

この時の心境としては、返事をしたくないのではなく、なんと返したら良いのかわからないのではないかと思います。そしてなんて返そうか悩んで問題に向き合いすぎているうちに疲れてしまい、もう返答をしなくていいやと思ってしまうのではないかと思います。

 

 

中には少しコミュニケーションがとれる人だと”とても遺憾に思います”とか”申し訳なく思う”とか”あなたの気持ちよくわかります”といった言葉を返してくれる人もいます。

 

 

 

ただ遺憾に思うも、申し訳なく思うも、あなたの気持ちは良く分かりますも、言われたほうにするとしっくりこないかもしれません。同じ体験をしていないのに私の何がわかるんだ!となってしまいます。聞いたほうも返答を待っているのにいざ返答がくると”あなたに私の何がわかるの!”となってしまうのですから、返答を返すほうも困ってしまうのは当然です。

 

 

アメリカの例はわかりやすいですが、日本に考えてみるとどうでしょうか。人種や文化に関してはそれほど差がないかもしれませんが性別、年齢に関しては日本も該当するケースがあるのではないかと思います。

 

 

例えばお子さんのいらっしゃるお母さんで男女の不平等さを全く感じないというお母さんはどれぐらいいるでしょうか?”どうして共働きなのに家事も仕事も私ばかりやらなくちゃいけないの!”なんて話をしょっちゅう聞かれるのではないでしょうか?

 

 

この時にお母さんが我慢ができなくなって”どうしてわたしばっかりこんなに働かなくちゃいけないの?夫婦で家事、育児も分担すべきだと思うんだけど”と言われたら旦那さんはなんと返しますか?

 

 

ここでさっきの答えです。”ごめんなさい”、”申し訳ない”、”あなたの気持ちは良く分かる”と返答されたらどう感じますか?おそらく無返答よりは気持ちはおさまりますが、それでもまだ心の中で怒りがくすぶっていると思います。

 

 

 

この時のお母さんの気持ちは、旦那さんが不平等であることを認識してくれてないこと、不平等さを解消しようと協力してくれない消極性に怒りを感じているのです。そしてその2つは真正面からその問題に向き合いたくないという自分の心が防衛をはっているからおこっているのではないかと思います。

 

 

ですので”自分だってあれもやってこれもやってる”と主張し返すよりも、一度相手に寄り添って返答してあげることです。不平等だと感じてしまう状況にいることに気が付いてあげられなかった(または自分も大変で気づかないふりをしていたこと)、それを解消するための行動をとっていなかったこと、そして何よりもその気持ちや行動をとれるために、相手がどう感じ何を求めているかをもっと知りたいという向き合う態度が、怒りを鎮火させていきます。

 

 

 

人種差別の例にしても片方が”これは人種差別だ!”と叫ぶと”いやそんなものはない!”とか”私は平等主義者だ!”とかという意見のぶつけ合いになりがちです。でももし不平等を感じている相手に”自分はまだそんなに不平等があるとは思っていなかった(またはそうじゃないと信じていた)。

 

 

でもそれは自分の考えであって、あなたが感じてきたこととは大きく違うのかもしれない。あなたの気持ちをすべてわかることは難しいかもしれないけれど、もっとこの不平等をなくしていくために、あなたが今どう思っているかもっと知りたい(教えて欲しい)”といたわってあげたらどうでしょうか?先程よりも怒りはおさまっていくのではないでしょうか?

 

 

相手に寄り添って耳を傾け、相手の心中を察し、でも自分と異なる相手の気持ちや体験を簡単にわかった気にならずに、真摯に相手の話を聞いて、その人個人の体験を教えてもらいながら一緒に解決方法を見つけていく。こういうふうに気持ちに寄り添われて態度が軟化しない人は少ないのではないのかと思います。

 

 

 

相手が不平等さを口にする時は徹底的に自分達のことを攻撃しようとしているわけではありません。最初は承認と共感を求めているのです。そして有効なサポートを欲しているのです。これを理解せずに無視をしたり、頑として拒否してしまうと、相手の気持ちは怒りへと変わり攻撃へつながってしまうのです。

 

 

これは夫婦、家族、友人間から人種、国籍、文化、性別にいたるまであらゆるレベルでおきることです。差別や不平等を感じている人にそうでないとただしたり、否定するよりも、じっくり耳を傾けて相手の体験に共感することが、こういった気持ちを解消していく小さいな一歩になるのではないかと思います。

 

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